人権擁護法案

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050727-00000156-jij-pol

この辺を見て、人権擁護法案に興味が出たのでいろいろ調べてみました。


まず、人権擁護法案とは。

http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken83.html

より、

Q1  人権擁護法案とは,どんな法案ですか。
 人権擁護法案は,人が生まれながらにして持っている権利としての人権を護るため,人権侵害に関する相談に乗ったり,加害者に人権侵害をやめさせ,あるいは被害の回復を得られるよう人権侵害の被害者を援助する仕組みとしての人権救済手続を整備すること,その担い手として独立行政委員会としての人権委員会を中心とする人権擁護のための組織体制を整備することなどを目的とする法案です。
 言うまでもなく,人権侵害の救済についても,最終的な紛争解決手段であり,人権の砦としての裁判制度が用意されていますが,差別,虐待の被害者等の弱い立場にある人々にとっては自らの力で裁判制度を利用することが困難な場合が少なくないなど,現実には様々な理由から裁判上の救済だけでは実効的な救済が図れない場面があります。このような事情から,先進各国においても,裁判制度を補完する目的で様々な行政上の人権救済にかかわる制度の整備が進められているところであり,我が国においても人権救済制度を抜本的に整備しようとするものです。

なるほどなるほど。


で、次はこれを見てみる。

人権擁護法案について(デスノ風)
http://blog.livedoor.jp/no_gestapo/archives/15625426.html

人権擁護法案について(デスノート風)FLASHhttp://tubame.sytes.net/list/zinkenyougo.swf

でもこれ、かなり偏りすぎてる気がするので、ちょっと反対意見のページも見てみる。

http://d.hatena.ne.jp/rir6/20050320/1113812466

なるほどなるほど。こっちの言い分の方が正しそうですね。
でもやっぱりこっちも偏ってる気がするなぁ……。


次はこいつ。

http://homepage2.nifty.com/save_our_rights/jinken001.swf

これは結構わかりやすい。
第何条を元にしているか、というのを書いているので、容易に真偽が確かめられますし。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15405056.htm

これが法案。
さすがに全文読むのはちょっときついので、↑のFLASHで気になったところだけを見てみました。



で、以下は自分の考え。


まず、この法案は、「人権侵害の被害者を援助する」というのが主な目的でしょう。
人権侵害をされた人が泣き寝入りする確率が低くなる、というのは非常に良いことです。それは間違いないでしょう。
しかし、ここで問題になるのが、「人権委員と人権擁護委員の人選」です。
大体の問題はここに収束するのではないかと。
法律って言うのは、がちがちに固められているようで、実は結構動けたりします。
人権委員になるためには、

第九条
1 委員長及び委員は、人格が高潔で人権に関して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命ずる。
2 前項の任命に当たっては、委員長及び委員のうち、男女のいずれか一方の数が二名未満とならないよう努めるものとする。
3 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得なければならない。

と書かれています。
この1項に、選定の基準が書かれていますが、要するに両議員の同意さえあれば人権委員になれるということです。国民全体の1%にも満たない人達だけで選定するわけです
その程度の人たちだけで選定された人物の中には、もしかしたら不当なことをしようと思っている人もいるのではないでしょうか。
もし、選定された人物が不当なことをしようと思ったら、おそらく出来るでしょう。
自分にはあまり有効な方法は思いつきませんが、人権委員は少なくとも「高い見識」を有しているはずなので、それぐらいは簡単に思いつくのでしょう(というかもう思いついているのかも)。
確かに、そんなことが起こると大変です。
しかし、本当に「人格が高潔」な人物が選ばれたら、そんな問題は何もありません。
「人権侵害の被害者を援助する」という目的のために、日々素晴らしい成果を上げてくれるに違いありません。


で、自分は、この法案に反対しておきます。
この法案で一番不審に思ったのは、マスコミが有利であること
たとえば、もう一度人権擁護法案のQ&Aのページを見てみると、

Q11  人権救済手続が,報道機関から犯罪の疑惑を追及されている政治家や官僚に利用されるおそれはないのですか。
 成人の被疑者・被告人に対する報道や取材は,特別救済の対象ではありませんから,犯罪の疑惑を追及されている政治家や官僚に対する報道や取材が特別救済の対象となることはありません。
 一方,政治家や官僚の家族に対する報道や取材は特別救済の対象となりますが,政治家等を取材するためその自宅に押し掛け,それに伴って家族にまで迷惑が及んでも,家族に対する取材ではありませんから,特別救済の要件に当たりません。また,家族を事件関係者として取材する場合は,家族としての取材ではありませんから,特別救済の対象とはなりません。
 さらに,政治家等の家族本人が犯罪の疑惑を追及されている場合に,政治家等に対して,その事件への関与や政治責任に関して取材することも,その政治家等については単に家族としての取材ではありませんから,特別救済の対象とはなりません。
 したがって,この法案が,政治家や官僚に対する疑惑追及の障害になることはありません。

つまり、マスコミは今まで通り家に押しかけたり待ち伏せしたりつきまとったりといった、犯罪まがいのことが出来ると言うことです。
自分は、一番人権侵害をやっているのはマスコミだと思っているので、マスコミから受けた人権侵害を援助してくれないのであれば、不要だと思わざるを得ません。
なぜマスコミがこんなに有利になっているのか。
自分には、マスコミが大きく報道すると国民が反対するからだとしか思えないのですよ。
マスコミに有利に働かせることによって、マスコミを味方に付け、法案を成立させようと思っているのではないでしょうか。
そして、そんなことを考える人は、どう考えても「人格が高潔」だとは思えません。


実際、こんな重要なことなのに、自分の周りにそのことを気にしている人は(自分も含めて)ほとんどいませんでした。
これは、マスコミが人権擁護法案についての報道を控えているせいではないでしょうか。
しかも、民主党があたらしく提出した「人権侵害被害救済・予防法案」は、

http://www.sankei.co.jp/news/050801/sei101.htm

救済法案は「報道の自由」に配慮し、政府案に盛り込まれているメディア規制条項は設けていない。

ということらしいです。
報道の自由」には配慮するのに、「言論の自由」には配慮しないのでしょうか?
やはり、マスコミを味方に付けるための対策だとしか思えません。


この法案の目的は素晴らしい物です。
もし、マスコミからの人権侵害についても援助してくれるのであれば、もしかしたら賛成していたかもしれません。
しかし、やはり↑のような考えをしてしまうと、どうしても不審に思ってしまいます。
もしこの法案を可決するならば、国民に大々的に知らせるべきだと思います。
賛成意見も、反対意見も出ると思います。自分のような考え方をするような人もいるでしょう。
それらの意見について議論を交わし、国民の大多数が納得するような法案になったのであれば、可決しても良いと思います。


本気で法案を可決したいのであれば、議員は国民と戦う(?)ぐらいの気概が欲しいですね。


いろいろと書いてしまいましたが、要するに、自分はマスコミは嫌いってことです(;´Д`)