過去を持つからこそ人は自分であることができる

過去を持つからこそ、人は自分であることが出来るのだ。
なるほど、そうかもしれない。
過去の積み重なりにより、今の自分が形成されている訳なのだから。


ここから何回かに渡って、この辺りのことを考えていきたいと思う。
自分の中には、この辺りのことで、いろいろと考えてることがあるのだが、ひどく曖昧な考え方で、明確な文章にすることは難しい。
だから、自分の考えてることをそのまま列挙する。
その文章から、自分の言いたいことを理解してくれるとありがたい。


自分は昔、ラプラスの悪魔、というものに興味を持っていた。
知っている人も多いと思うが、ラプラスの悪魔とは、全宇宙における、ある瞬間の粒子の位置と、そのベクトルさえ計測することが出来れば、未来のことを、全て計算で求めることが出来る、という理論だ。
これについては、すごく納得した。
なるほど、人の英知では計り知れないだけで、未来は決まっているのかもしれない。
つまり、何をやったとしても、それは既に「全宇宙の歴史」という本には記述されているのだ。


しかし、この後、不確定性原理、という理論が、ラプラスの悪魔を打ち破ることになる。
これも大々的に知られている理論だが、簡単に言うと、粒子の位置と、そのベクトルを同時に正確に測定することは不可能である、という理論だ。


どちらが正しいのだろうか?
正解は、どちらも正しい。
ただ、不確定性原理は、「人間には」不可能である、と言っているのだ。
つまり、未来は決まっているが、やはり人の英知では及ばないのだ。
不確定性原理の言っていることは、未来は、人間にとっては無限大である、ということなのだろう。(つづく)