脳内妄想(2)

読むなデンジャー（;´Д｀）

「あれ、先に行ったんじゃなかったのか」
「まあ、あんた一人じゃ寂しいだろうと思ってね。待っててあげたのよ」
「ふーん」
「なによ、せっかく待っててあげたんだからもっと嬉しそうな顔をしなさいよ」
「ああ、わかってるって。ありがとな」
「……ふんっ。最初からそう言ってればいいのに」
「悪かったって」
「……もういいわよ。それじゃ、さっさと朝ごはんにしましょ」
「お、作ってくれたのか？」
「そうよ。時間もないし、さっさと食べてよね」
「ん、食わないのか？」
「食べてきたから」
「そか。んじゃ、いただきまーす」
「……（じー）」
「モグモグ」
「……（じー）」
「モグモグ……ん？」
「……あ、えっと、その……そ、そうよ！せっかく作ってあげたんだから、感想ぐらい言いなさいよ！」
「あ、ああ、すまん。このご飯うまいぞ」
「……あ、ありがと……」
「これならいつでも嫁に出せるな」
「……うん」
「あれ、急に元気を無くして……どうした？」
「……なんでもない」
「いや、だって……」
「なんでもないってば！さっさとご飯食べなさいよ！」
「あ、ああ。わかった……」
「……」
「モグモグ」
「……はぁ……」
「……でもさ、あれだよな」
「……なに？」
「俺の親、ひどいよなぁ……いきなり夫婦で旅行だぜ？これはよっぽど息子に死んで欲しいとみた」
「あんたのご両親、旅行に行く前にあたしの所に来たわよ。息子の面倒を見てやってくれって」
「……あんの親どもめ……」
「……隣同士とはいえ、他人のあたしに世話を任せるなんて、あんたよっぽど両親に信頼されてないのねぇ……」
「……まあ、確かにおまえがいなかったら今日も遅刻してたな」
「……はぁ……それじゃ、今日からあたしがちゃんと世話してあげるから、感謝しなさいよ」
「へへー。よろしくお願いします」
「ん。それじゃ、さっさとごはん食べなさいよ。そろそろ時間だから」
「げっ、そういうことは早く言ってくれよ」
「あたしはちゃんと言ったわよ。あんたの耳が腐ってるだけでしょ」
「（ガツガツガツ）ごちそうさん」
「おそまつさま。それじゃ食器はあたしが片づけておくから、さっさと準備してきなさい」
「あいよ」（バタバタ）
「……お嫁さん……か…………はぁ……食器洗わないと……」
（ジャブジャブ）
「終わり、と」
「お待たせ」
「えっ。は、早いわね……」
「男はこんなもんだろ。行くか？」
「そうね。……あ、ネクタイ曲がってるわよ」
「あ〜、こんなんどうでもいいって」
「ダメよ。あたしが恥ずかしいじゃない。よいしょっと……」
「あ〜……」
「なに？不満は受け付けないわよ」
「いや……これ、はたから見ると新婚みたいな光景だよな」
「（ギュー）なっ！なにいってんのよっ！そ、そんなわけないじゃないっ！」
「ぐぇっ、ちょっ、締まってるって！ギブギブ！ヘルプミー！」
「あ、ご、ごめん……あ、あんたが変なこというからよっ」
「ゴホッ。あ〜、ごめん」
「ん。ちゃんと反省しなさいよっ。……っと、これでよし。それじゃ行くわよっ」
「あ、ちょっと待てって……急に元気になったな……まあいいや、行くか」